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そこで、市域全体を15分圏でカバーするためには、さらにバス交通網の整備を組み合わせていくことが重要となります、バス交通の改善に際しては、ハード的な施策として、交通基盤整備の面では幹線道路・地区幹線道路の整備、ボトルネック交差点の改良、駅前広場の整備・改善等を推進するとともに、ソフト面での施策として、道路が狭隘な地域には小型バスの導入あるいは乗合タクシーの導入等が必要です。交通規制面では、バスレーンの設置とか一般車の乗り入れを一定のエリアにおいて禁止する等の施策を展開し、バスの走行性の向上、定時性の確保、路線網の充実、運行頻度の向上等をめざします。その他、徒歩・バスだけではなく、二輪車や自動車利用の改善等についても施策を展開していこうと思います。さらに、新交通システム等の新たな交通機関の導入については、現在、HSSTという磁気浮上式の新たなシステムも計画中となっています。
このスライドは、左上が現在の鉄道網と15分圏カバー・エリアの現状です。色の付いている部分が徒歩やバス利用を含めて現在駅まで15分で到達できるエリアとなっています。右上が計画中・事業中の鉄道路線ですが、今後新たに郊外地域をカバーするための環状鉄道、その他の新しい交通システム等の計画および事業を示したものです。左下は道路網およびバス路線網の整備について示したものです。これらを整備することにより、右下の図に示したように市域全域を15分圏にしようというものです。現在、最寄り駅まで15分の達成率は、人口ベースで約7割となっています。この施策を推進することにより、平成10年度までに約8割程度まで、さらに2010プランの目標年度である2010年には全域をカバーしていくことをめざします。
バス交通の改善に際しては、道路整備、交通規制、バスの運行等を総合に連携させつつ実施していく必要があります。このため、咋年4月に神奈川県バス活性化委員会の下に協議・調整の場として横浜市バス利用促進委員会を設置し、バス交通の利用促進に向け、横浜市が進める道路の新設改良および交通管理者である神奈川県警が行うバス専用・優先レーンの導入、その他の交通規制、民間7社を含めたバス事業者が行うバス路線の再編、小型バスの導入等について協議しています。また、計画全体についても様々な知恵を出し合い、それぞれが対応できる施策の推進をめざし、横浜市の方で総合的な調整を行っています。この委員会は市内のバス事業者はもとより、運輸省、建設省、神奈川県警本都にも参画いただき、咋年度4地区、今年度2地区のバス交通の改善策を実施しました。今年度からは、この施策を全市的に展開しようということで、市内の18区毎に最寄り駅まで15分の交通体系整備モデル事業というものを設定し、事業を体系的に推進するようにしています。
以上の取り組みの事例として、3事例をスライドで説明します。
まず、緑区の十日市場駅周辺の交通円滑化対策です。十日市場駅は、JR横浜線の駅で周辺に約3万人が居住する若葉台団地や桐が丘団地等の大規模団地が立地し、その最寄り駅となっています。駅の乗車人員は1日約2万人で、駅の端末交通としてバス利用率は約5割と高く、その割合は全市内駅に比べ倍程度の利用率となり、市内駅の中で最もバス利用率の高い駅となっています。バスの本数は、ピークの朝7時から9時までの2時間で116本となっています。若葉台駅方面からこの駅にアクセスする道路は、都市計画道路の環状4号線、25m、4車線の幹線道路があり、近くには東名高速自動車道横浜I.C.もあることで、物流関係等の通過交通も流入するため、慢性

 

 

 

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